カウントダウン対談 第4回


目的のためなら手段を選ばないという、冷徹な男ビトー。
そんなミステリアスな彼も「姫」を取り巻く男たちの一人です。
ビトーを演じるのは、夢奇房6年目の武井さん。
夢奇房の中では古株に位置するメンバーですが、今年の見どころはどこでしょう。
早速聞いてみました!




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今までコミカル役が多かったですが、今回は冷徹な感じのキャラなんですね。

武井さん:
(以下、武)
こういうキャラクターは今回が初めてです。
たぶん自分からは絶対やらないようなキャラ。
演出上、必要な役柄だから引き受けたっていう経緯があります。

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コミカルじゃない演技も学生時代にはやっていましたが、明るい演技でしたものね。


武:




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武:





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武:





そもそも役にしても、演者で出るなら店員かな?
と思っていたので、「姫」の取り巻き役になったのは意外。
でも、自らやらないような演技をやることになったわけで、
演技の勉強にはなると思ってます。

バリエーションが増えますね!
でも、怖い雰囲気を出す演技って、得意不得意が
ありそう。

そうだね、僕はやっぱり明るいのが得意だから
今回は難しい。
演じながら楽しい!ていう感覚じゃないんだよね。
真面目にカタくやっていると…
思わず、崩したくなったりする!

(笑)それじゃあ今回は、苦労なんかも多いですか?

うーん、いままでこういう不得意なのに
挑んだことはなかったから…
第三者としてみていて批評とかはしてきたけれど、
いざ自分がやってみるとなると、違うって思うね。








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仕事がお忙しい中で、今回も演者で出るということですが…

武:
社会人だからね~。

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夢奇房のメンバーの中で、そういう苦労をしてる人は多いですね。

武:



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武:




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武:



平日、時間がないのは当然。
でも平日でもとりあえず、一日一時間は練習するように
決めてます。集中して。

大変そう…!

そもそも練習するための時間が絶対的に足りないので、
経験でカバーしたりも。
今回は結構マジックとしては基本的な手順なので
「もう無理!!!」って追いつめられてるわけでもないよ。

見せ方重視、ということですね。

技術習得はどうしても時間がいるけれど、
キャラ設定とか演じ方を考えるのって、
練習以外の移動時間とかでもできるよね。

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いろいろと、工夫が必要なんですね。

武:
大変なことはたくさんあるよね、演者として出ると苦労は必至。
でも、演者で出ないで見ている側にいると、自分も舞台に立ちたい!って思ったり。
こりゃ演者の性ですな。

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そうですね~これはもう、しょうがないのかな!

武:
そう、苦労は承知であきらめて出ろ!!ってこと(笑)。







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今回の公演でも、武井さんの個性ある演技に期待する人はいると思いますが?

武:
うん…でもね、フィナーレ(※)に出るのが実は憂鬱。

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武:




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ええ!そうなんですか!
演技の達成感ゆえに、楽しんで出る人が多いように
見えますけど…

僕は自分の演技が終わった時点で、
自分の中では完結。
役を作りこんでいるから、それを崩して舞台に立つのが
いまひとつ…

確かに。
あ、でも、役を作ったままフィナーレに
出るっていうのは無しなんですか??




武:
ん~、そうだねー!
でもなんていうか、自分の中ではフィナーレ前のエンディングの時点で
やっぱり完結してるんだよね。
それでそのあとフィナーレに素の自分で出るっていうのが…うーむ!違和感!!

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そうか~。

武:
いっそ、人前に出たくない!とか思ってしまう(苦笑)。

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そういえば、武井さんはフィナーレで舞台の中央のほうにいるイメージがない…

武:
隅っこのほうで、目立たないよう目立たないよう。溶け込もうとしてたり…!
実は目下、これが僕の頭痛のタネです(笑)。







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武:



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武:




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最後に、見に来てくれるお客さんに一言お願いします!

今年は夢奇房の公演内容そのものが、
今までと違う感じです。
リピーターの方には意外性を。

そうですね。
演出チームもいろいろ挑戦していますね。

自分の演技に関しては、
雰囲気がどうもラスボスっぽいので(苦笑)
…あ、でも出番は中盤だから、中ボスって感じで。
中ボスオーラが出せるように頑張ります(笑)。

ありがとうございました!
コミカルが得意でそれが定番となりつつある
武井さんですが、今回はちょっと違う雰囲気。
いつもと違う武井さんを楽しみにしたいと思います。
次回は「姫」の取り巻き第4弾です!



フィナーレ…すべての演技が終わった後、演者が再び舞台上にでてきて
一同で観客に挨拶をするもの。
たいていは、演出とは切り離して考えるため、演者としてというより本人として出る人も多い。







1981年6月27日生まれ、29歳。

立教大学マジック研究会出身(元幹事長)。

夢奇房の営業担当。

夢奇房には第3回公演から参加。
以後、パントマイムを交えたコミカルな表現を駆使し、
独特の演技を作り続けてきた。
本職のDTPデザインスキルを発揮し、
夢奇房ではチラシやパンフレットのデザイン・製作を行う
広報係も担っている。

プライベートでは、甥っ子と姪っ子をとても可愛がっているらしい。

【主な出演作】
2006年 第3回公演「瞬」 タクト(シルク)
2007年 第4回公演「シートと黄金の紙」
                 (アラカルト&ゾンビボール)
2008年 第5回公演「Fruit on the Wedding Cake」
                 ソウイチロウ(ダンシングシルク)
2010年 第7回公演「サーカスの魔法は街を包んで」
                 マイク(アラカルト)