カウントダウン対談 第1回


夢奇房第8回公演『常夜の月花』本番まで、あと16日!
今日から15日間、本公演の出演者へのインタビューを掲載します。
各々の演技に対する思いやお客様へのメッセージを、どうぞお楽しみ下さい。

記念すべき1回目は、演出チーム! 演出担当の佐野さんと脚本担当の戈文来さん(通称:来ちゃん)に、
今回の公演内容とその想いについて聞いてみました!




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今回の公演のテーマは、今までの公演とはちょっと違う、という話ですが…

佐野:
(以下"佐")
そうだね、今まではファンタジーっていうか、“おとぎ話”っていう感じの舞台だったんだよね。
今回は、ちょっと“大人”な夢奇房。


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佐:



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佐:

来ちゃん:
(以下"来")

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大人!

来てくれているお客さんって、20代、30代、40代が
多いんだよね。そういう人たちに一緒に楽しんで
もらえるような世界観を、って思ってるよ。

確かに、20~40代のお客さん多いですものね。
演出は毎年何か新しい挑戦があるけれど、今回は?

挑戦! うーん…露出度、かな?

えー!露出度!?


お…“大人”だ(?)


佐:
(笑) 今年は、何か新しい要素を入れたというよりも、誰かが主人公で誰かが物語を
展開していくというのとは違う演出をしてる。
その空間で起きているもの、その空間で見えてくる入り組んだ人間模様みたいなものを
見せられれば、今までとちょっと違ったストーリー作りができるって思ってね。

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なるほど。その中での苦労はありますか?

佐:
うん、やっぱりストーリー作りが難しいよ。
主人公がいるほうがストーリーって作りやすいな!ってホント思う(苦笑)。
ここでは誰がストーリーを進めていくのか?っていうのをその都度考えて
いかなくちゃいけない。主導する人物がいるっていうより、入り乱れてる感じを出したいね。

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入り乱れている感じ、ですか。

佐:
その中でお客さんは登場人物の誰を見ているか、っていうのを考える。そこが難しいね~。







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来:




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来:





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今回は、舞台上で台詞を言うのは一人だけなんですね。
ストーリーテラーといった感じ?

ストーリーテラーといっても、今年は去年の団長さんとは
違うんです(※)。
団長さんの台詞はサーカスの口上だから台詞も
位置づけも分かりやすかったんですよね。

そうですね、お客さんに話しかけてる立場でしたね。

そう、だからとても作りやすかった。
でも今回喋るのは、「月花‐GEKKA」ていうお店に
来ているたくさんの客の中の、一人だけ。
そのミレーヌだけが喋ることで、彼女が舞台で浮いて
しまわないかが難しいです。

演者一人だけで状況を語らせるって、難しいんですね。

来:
できるだけ、説明的にならないようにしたいと思っています。
…未だに悩んでいるところなんですけれど(苦笑)。

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台詞は一人だけにしようって思ったのは、なぜですか?

佐:
そうだね~。去年はそれこそ、主人公がいて、それを取り巻く登場人物がいて、
さらにストーリーテラーの団長がいた。
今年はいわゆる“主人公”っていうのは特にいなくて、同列に位置する人物がたくさんいる。
だから、誰かが喋ると、その同列の人物みんなが喋らなくちゃいけなくなっちゃうんだよ。

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そうか!

佐:
で、3人4人が喋る必要があるのか?って言うと、そういうわけでもない。
ここは絞り込んで一人だけ喋る人を作るほうがわかりやすいと思ったわけ。
お客さんも「あの人は喋る人」って認識して見るほうがわかりやすいと。

来:



佐:






来:



過去の公演で、台詞があるのは一人だけというのは
あったけれど、 今回は“司会”ではなく月花に来た
一人の客なんです。

ミレーヌの台詞は独り言っていうよりも、登場している
複数の人物の言葉のキャッチボールの中で、
彼女一人の声だけが観客に聞こえてくるっていう
イメージかな。
大変だな!ってニヤニヤしながら(来ちゃんを)
見てるけど。

(苦笑)








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今回の公演のみどころは?

佐:
お客さんにはまず、いい男たちといい女たちを存分に堪能してもらい…

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うわ、演者のハードルが上がった!

佐:
まぁこれも一つのテーマではあるからね(笑)。
そのうえで一緒に夜を楽しんで、一緒に手拍子とかしてほしいな。
あと、今回の公演は、夢奇房には珍しく不幸になる人もいる。

来:
今までそういうストーリーはなかったですね。

佐:


来:




佐:

来:

なんでその人は不幸になっちゃったのかな?とかいうのを
考えてもらうのも、おもしろいかな。

今回の物語は、見ているお客さんそれぞれ見方や
感じ方が違っていていいと思います。
複数いる登場人物いろんな人に、感情移入しながら
見てもらえたらいいですね。

主人公がいないからね。

「私はこう見ていた」とか「このキャラを見ていた」
というふうに、終演後のお客さんの会話が今までとは
きっと違うんじゃないかなと思います!



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ありがとうございました!
今回の演出は、大人の夜の世界と入り乱れた人間模様。
今までの公演とは一味ちがう演出チームの挑戦にご期待下さい。

次回からのインタビューは、様々な人間模様を演じる、
「月花-GEKKA」の登場人物たちです。お楽しみに!

去年の団長さん…第7回公演でのサーカスの団長。
サーカスの口上を通して、司会兼ストーリーテラーの役割を担っていた。







1980年2月19日生まれ、31歳。

法政大学奇術愛好会出身(元幹事長)。
マラバリスタ出身。

夢奇房の立ち上げメンバーの一人。
第2回公演から、プロデューサーとして、全体の構成・演出を担当し、
さまざまなテーマで各公演を創り上げてきた。

普段は広告代理店の営業として多忙な日々を送る。
趣味はサッカー観戦とスノーボード。

【主な出演作】
2004年 第1回公演「然」 (ジャグリング)
2009年 第6回公演「ゆめ戯草子~ふたりの浦島おかし話」
                         そー(クラウン)


1988年7月31日生まれ、22歳。

マラバリスタ所属。

第7回公演から参加し、佐野プロデューサーの右腕として
主に脚本を担当。

趣味はミュージカルなど、舞台鑑賞で、
好きなミュージカルは「ミス・サイゴン」。

就活も終えて時間があるので、最近はウォールクライミングを
はじめたとのこと。