カウントダウン対談、最後は脚本・演出担当の本坊健太郎さんと戈文来さんです。
戈さんは第7回・第8回に引き続き、脚本を担当。
本坊さんは、今回初めて演出を担当します。
今回の公演にかける思いを聞いてみたいと思います。
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今回の脚本・演出は、こちらの2人。
脚本担当の来さん(戈文来)は今回で3回目ですね。
本:
ほんとに、きつかったです。
いったい何がきついのか、わからないんですけどね、初めてでしたから。
ストーリーを作るのも、リハーサルを進めるのも大変で、
あと、例年になく出演者数も多くて!
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ちなみに、プロデューサー(演出)をやってみたい!
と本坊さん自ら名乗りを上げたんですか?
本:
いや、「やってみないか」って言われたんです。
自分は夢奇房には第6回公演からかかわっていて、その時は進行スタッフで中幕を
やったんですが、そのときからちらほら、夢奇房もそろそろ代替わりの時期かもっていう
話題が上がっていたんです。
それで、当時のキャプテンの鈴木さんから「演出やってみないか」って言われたんです。
まだ、1年目だったのに!
本:
去年あたりから、今度はプロデューサーの佐野さんから「やらないか」って言われて。
来:
私は、「本坊がやりたいって言ってた」って聞いてました。
佐野さんがそう言ってた、よ!
本:
同じタイミングで、佐久間が次期キャプテンに、って言われていたんです。
最終的には去年の公演の打ち上げの時、2人で鈴木さんと佐野さんに
「やらせてもらいます!」って覚悟して頭下げたんです。
佐久間と2人で感激して抱き合ったり泣いてたりしてました。
本:
ひどい絵面(笑)
でも公演本番直後の、あのすごい達成感と感動の雰囲気の中だからしょうがないよね。
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2人でタッグを組んだのはこれが初めてですか?
本:
初めてではないですよ。
以前、マラバリスタ※で一緒に演出を担当したことがあります。
本:
とはいっても、やっぱり夢奇房の舞台の演出は大変でした。
2人ともそれぞれ考えはあるんですけど、それなりに意志が固いから
なかなかまとまらなくて。
来:
ちょっと遠慮しちゃったのがいけなかったのかな。
もっと率直に「これはおかしい」とか「こうしたほうがいい」とか、
意見をぶつけ合ったほうがよかったのかも。
本:
2人が考えていることの妥協点を見つけるのが、結構大変だったかなー。
────
ストーリーなどは、どうやって考えているんですか?
来:
具体的な話の展開や台詞は、私が考えていますが、“夢どろぼう”っていう
設定のおおもとは、本坊が考えたものなんです。
本:
今回の構想の大枠は、もう夏前にはあったんだよね。
でも具体的なストーリーづくりは、あちら脚本担当に丸投げしてます。
本:
あ、表現がよくないか(笑)
ええと、お任せしてます。
本:
自分は来ちゃんが作ったストーリーを、舞台上でどうやって表現・展開していくかを、
スタッフさんと打ち合わせしながら考えるんです。
ここで暗転しようとか、演者はこのタイミングで上手から出てもらおうとか、
中幕をここで開こうとか。
来:
私はそこのところはよく分からないんです。
私は先に「言葉」が出てくる。
逆に本坊は、「こういう絵」っていう、イメージが出てくるみたいです。
本:
でもやっぱり大変でした。
立場上、みんなに指示を出さなきゃいけないんですけど、大先輩とかには
どうしても遠慮してしまったり。
来:
私たちの代くらいがちょうど、上も下も同じくらい人がいる中間の世代なんですけど、
上も下も関係なく、遠慮なく意見を言い合って、いい舞台をつくるのが理想です。
本:
いいものをつくりたいなら、遠慮なんてしてる場合じゃないんだよね!
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そうやっていろいろ悩んだり意見をぶつけ合ったりして、
つくりあげていくんですね。
来:
夢奇房の飲み会は、なんというか、すごいよね~!
本:
ビールの最初のひと口が!生きててよかったー!!と思うほどおいしい(笑)
来:
そうだね(笑)
そしてみんな、熱く意見をぶつけたり、励ましあったり、気合を入れなおしたりして。いいよね。
本:
この時期、参宮橋の庄や※2には、ほんとにお世話になってるよね。
来:
飲み会担当のメンバーが、店長にしっかり覚えられているものね!(笑)
────
それでは最後に脚本・演出担当として、明日見に来てくれるお客様に
どんなことを伝えたいか、教えてください。
来:
私は、主人公の1人であるトウドリを通して、
人と人との出会いが生む「何か」を感じてもらいたいです。
来:
カタリはどんな気持ちでトウドリに声をかけるのか。
そしてそのことで、何が変わっていくのか。
トウドリの気持ちになって見てもらえたらいいですね。
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変わっていく何かを感じてもらえるといいですね。
来:
悩んでいたり、恥ずかしがっていたり、暗く沈んでいたりしていた人が、
ちょっとした出会いで変わっていく。
何気ない人との出会いで、世界は変わっていく。そういうのを伝えたいって思います。
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本坊さんの演出担当としての、伝えたいことは?
本:
今回のテーマは「友だちは、そこにいる」。
自分が伝えたいのはこれですね。
あと、舞台に現れる一つ一つの瞬間を見てもらいたい。
本:
ストーリーの中のいろんなところで、絵になるような瞬間を見てもらいたいですね。
星空とか、街の風景とか…そして、その風景の中にいる登場人物たち。
たくさんの「はっとするような瞬間」を、風景を切り取った絵のような一瞬一瞬を、
ぜひ見てもらいたいって思います!
────
ありがとうございました!
明日はいよいよ本番。夢奇房第9回公演当日です。
脚本・演出担当の2人が紡ぎ出す「夢どろぼうの住む街」の世界、
そしてその世界の登場人物である演者たち。
さらにそのほか裏で支えるたくさんの夢奇房メンバー全員の力で、
今年も皆様に感動の舞台をお届けしたいと思います。
ぜひ、滝野川会館へ足をお運びください!お待ちしています!!
※1
マラバリスタ…東京大学のジャグリングインカレサークル。
※2
参宮橋の庄や…夢奇房は、参宮橋駅近くのオリンピックセンターで
練習やリハーサルをすることが多いので、公演前の時期は専らこのお店のお世話になっている。
1987年5月24日生まれ、24歳。
愛称「健ちゃん」。
マラバリスタ所属。新宿雑技団所属。
夢奇房には第6回公演から参加し、第7回公演ではキー役で出演。
今年は初めて舞台の演出に挑む。
大学からジャグリングを始めて7年目。
「ポイ」という、マオリ族由来のスイングジャグリングを主に使い
ファイヤーパフォーマンスも行う。
最近はまっていることは、一眼レフカメラで写真を撮ること。
【主な出演作】
2010年 第7回公演「サーカスの魔法は街を包んで」
キー(ポイ)
1988年7月31日生まれ、23歳。
愛称「らいちゃん」。
マラバリスタ所属。
第7回公演から参加し、主に脚本を担当。
趣味はミュージカルなど、舞台鑑賞で、
好きなミュージカルは「ミス・サイゴン」。
普段は社会人1年目として仕事に追われているが、
最近は演者のハトに癒されているとのこと。
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