◇カウントダウン企画 第6回

カウントダウン対談も、第6回目。
ここからは物語の後半に出てくるキャラクターに入っていきます。

今回の対談は、立教大学マジック研究会出身の2人組、
武井尚志さん(悪魔 ルシット役)と森藤麻衣子さん(華の精 帆ノ夏役)
です。
少数派とはいえ夢奇房の中で独特の存在感を有する立教勢ですが、
先輩・後輩として長くお互いを見てきた同士として、
いろいろ語り合ってもらいました!


カウントダウン企画 第6回

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武井さんと森藤さんは、同じ立教大学出身で、夢奇房に参加したのも同じ時期(第3回公演)ですね。

森藤:
(以下"森")
武井さんは私にとっては2つ上の先輩ですけれどね。
第3回公演以来参加して、今回でもう第10回目なんですね~。

武:
(以下"武")
といっても、なんだかあっという間…だね?


森:
そうですね!初参加だった第3回公演が、まだほんの2、3年前っていう感じがします。

武:
でもあの頃は、二十代前半!!だからね(笑)

森:
うわぁ~若い!

武:
今やアラサー(苦笑)…ていうかもはや僕はサーティー超えなわけですよ。。

森:
いやいや、私もあと3ヶ月ほどの命ですよ(現在29歳)。

武:
(笑)

森:
だって、夢奇に参加したのが大学4年だから当時は22歳ですよ!
そこから、第3回公演、第4回、5、6、7、8、9って改めて数えてみると…びっくりです。
そんなに経ってる気がしないんですが…

武:
そうだね、学生時代みたいに年中活動しているわけじゃないからね。
準備や練習はあるにせよ、実質動いているのは公演前の数ヶ月だから。

森:

でも1年のうちの数ヶ月だから、社会人として仕事があっても、好きなことに没頭できるのかも。

武:
だからこれまで8年間も続けていられるんだろうね。

森:
まあでもその数ヶ月が、すごい忙しかったりキツい数ヶ月ですけどね~。

武:
そうだね。体力も精神も!(苦笑)

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それでもやっていられる、原動力はなんですか?

武:
人それぞれだと思うけど、僕はやっぱり、スポットライト浴びるっていうのがすごく好きで、楽しいなって思う。
舞台上、しんとしたところで、ぱっとライトがあたって…!っていう、あの独特の感じがすごい好き。

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なるほど。舞台の醍醐味ですね。

森:
私はやっぱり、拍手を浴びる瞬間ですね。
ハトがパッと出たら、お客さんが、おお~!!となるような感じ。
あの瞬間が気持ちいいです。

武:
でもそういう拍手もらう瞬間とかやり方って、演技の種類でも変わるよね?
何か現象をやるたびに拍手もらう人もいれば、ずっと拍手もらわずに魅せてみせて、最後にだけ、拍手もらう人とか。

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演者によって違うんですね。

森:
私はどちらかと言うと、何かやるたび拍手もらうのが多いですね。
去年の公演では第1演者でハトをいきなり出しましたが、1列目の人がすっごいびっくりして
ぽかーんと目を丸くしてたのが舞台上から見えて。なんだか嬉しかったです。

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武井さんはやっぱり、お客さんを笑わせる演技が得意、というか好きですか?

武:
うーん、そうだね。
せっかく見にきてもらってるんだし、舞台を見ているその瞬間はいろんなことは置いといて楽しんでもらいたいな。
その上で僕の希望としては、見に来ている人の中にはいろんなパフォーマンスをしている人も結構いるから、
そういう人たちが自分の演技を見て、なんか影響を受けて面白い演技を新たに作って…
そうした影響が廻りめぐって…っていうふうになれば面白いだろうな、と思う。





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2人は夢奇房の中でいわゆる“古参”にあたりますが、毎回演者だったわけじゃないんですよね?

武:
第6回公演が、両方ともスタッフだったね。

森:
そうですね、第6回は私、公演練習にも全然顔出せていなかっんたですけど、音響(※1)やっていた武井さんから
本番2、3週間前くらいに「進行スタッフ(※2)やらない?」ってメールもらったのを覚えてます。

武:
結局、進行だけじゃなくてオープニングダンスまでやってたよね!

森:
あれは、話が違う~!って思いましたけど(苦笑)!

武:
よくある話(笑)。
「大丈夫、スタッフやってもらうだけだから」といわれたものの、結局出てしまうというパターン。

森:
でもなんだかんだで出られて楽しかったです(笑)。
第6回は全然練習行けない日が続いていたので、すごい行きづらくなっていて、もう今回は客席で一般客だな、
これで私は夢奇房って団体と離れていくのかもな…と少し覚悟していたんですけど。
武井さんがいなかったら、私は夢奇房に残っていなかったかもしれない。

武:
そっかー。

森:
だから逆に、去年は武井さんのほうが広報の仕事だけで舞台にあまり関わらなかったので、すごい気にしてました。
このまま夢奇房からいなくなっちゃったら嫌だなって。

武:
ちょっとこの2年くらいは舞台に出ようっていうモチベーションが低かったんだよね(苦笑)。
実際去年はチラシとかパンフは作ったけど、本番は見ていない。

森:

そうなんですよね。
でも武井さんは自分にとっては大学1年で手品を始めてからの付き合いですから、夢奇房メンバーの誰よりも長いんですよね。
10年ですよ!ていうか最初の手品師匠は武井さんですし。

武:
そうだったね!僕が大学3年生で幹事長の時の、新入生だものね。

森:
だからこうして一緒に夢奇房にいて、お互い支え、支えられてきたってのが嬉しいです。

武:
「立教出身」って夢奇の中じゃだいぶ少数だけど、それなりに存在感は示している…かな?

森:
ですね(笑)。





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話は変わって、今回の演技はどんな感じになりますか?

森:
武井さんは悪魔の役だから、ちょっと怖い感じ…じゃないですか?
特に小さいお子さんとかは怖がるかなぁー。

武:
うーん、でもね、むしろ小さい子を泣かせたり怖がらせたりしたら、僕的には「負け」だな。
悪役だけど、それだけでは終わらない。
役としては「悪魔」だから別に善い人じゃないんだけど、でも怖いだけ、じゃない。そんな演技になるよ。

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森藤さんの帆ノ夏っていう役もいつもと違う雰囲気ですね。

森:
今回のはマジックの種目でいえばカードですけど、いわゆる「トランプ」は一切使いたくなかったんです。
カードを開いたり散らしたりってもっと綺麗に見せられるだろうとずっとずっと思ってきたのを、やっとやる機会が…ていうのが今回です。
でも、やってみたらやってみたで、とにかく難しいですね。

武:
今までの明るくて拍手しやすい感じの演技とも違うね。

森:

そうですね、「はい拍手~!」ていうのは、今回の帆ノ夏ってキャラに似つかわしくないですから。
今までのようにがっつり拍手を取りに行くほうが、正直簡単ではあるんですけど。
それに代わるものがなかなか見つからないのが苦労の種なんですよね~。

武:
確かに、これが新しいのを生み出すことの難しさだね。

森:
人でない精霊っていう設定もすごく難しくて。
人間ぽさが出ないようにするって本当に難しいです。
手品は10年もやってるのに…

武:
10年って、いまの時点で考えたら人生の三分の一でしょ?

森:
な、長いですね~!!





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それでは本番に向けて意気込みを。

武:
自分は今回、コミカルな演技をやるわけだけど、2年ぶりに舞台に立つので
やっぱり復帰一発目としては得意なのをもってきました!

森:
安定していますよね。演技してて楽しそうだし!

武:
コミカルなルーティンは実は3年ぶりなんだよ。
自分の得意を生かして、お客さんを笑わせたいね。

森:
私は、第10回ってことで気合入れていろんなことに挑んでしまっていますが…
とにかくせっかく挑戦するのだから当たって砕けろの精神で頑張ります!

武:
砕けちゃだめだよ!!(笑)

森:
あ、そうか!ええと、咲いて散ります!!(笑)

武&森:
ということで、立教らしく(?)本番はお互い見に来たお客さんを楽しませられるよう頑張ります!

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ありがとうございました。
同じ大学出身として支えあってきたという2人ですが、
今回もお互いに励ましあい高めあっていい演技を見せてもらいたいですね!

次回は帆ノ夏の庭に住んでいるという、ニワトリ役の2人組。
初出演の雌鶏役ジャグラーと、前回に続いて2回目の出演の雄鶏役ジャグラーです。
鳥とジャグリングをどんなふうに合わせるのでしょうか?
次回もお楽しみに。

※1音響…舞台スタッフ(裏方関係者)の1つ。曲や効果音を出す。
※2進行スタッフ…舞台スタッフ(裏方関係者)の1つ。幕の開閉など舞台装置の操作や、大道具・小道具の出しはけなどを行う。




1981年6月27日生まれ、31歳。
立教大学マジック研究会出身(元幹事長)。

夢奇房には第3回公演から参加。
以後、パントマイムを交えたコミカルな表現を駆使し、独特の演技を作り続けている。
本職のDTPデザインスキルを発揮し、夢奇房ではチラシやパンフレットのデザイン・製作を行う広報も担当している。

プライベートでは、甥っ子と姪っ子をとても可愛がっているらしい。

【主な出演作】
2006年 第3回公演「瞬」 タクト(シルク)
2007年 第4回公演「シートと黄金の紙」(アラカルト&ゾンビボール)
2008年 第5回公演「Fruit on the Wedding Cake」ソウイチロウ(ダンシングシルク)
2010年 第7回公演「サーカスの魔法は街を包んで」マイク(アラカルト)
2011年 第8回公演「常夜の月花」 ビトー(ゾンビボール)


1983年6月16日生まれ、29歳。
立教大学マジック研究会出身。
夢奇房広報担当。

夢奇房には第3回公演から参加。
演者として舞台に立つ他、広報部隊としてHPやパンフレットの企画・校正も担当。
得意な手品は、ハトとカード。

普段は東京都内の出版社に勤務し、書籍等の編集を行っている。
趣味は読書・料理。

【過去の出演作】
2006年 第3回公演「瞬」 ドロシー(ハト後見)
2007年 第4回公演「シートと黄金の紙」 コリー(小説中の登場人物)
2008年 第5回公演「Fruit on the Wedding Cake」 カナ(カード&ハト)
2010年 第7回公演「サーカスの魔法は街を包んで」 R(カード)
2011年 第8回公演「常夜の月花」 姫(主要登場人物)
2012年 第9回公演「夢どろぼうの住む街」 レッテ(カード&ハト)





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