ねえ、君は世界を作る仕事を知ってる?
大工さん? 彼らは建物を作れるけど世界は作れない。
偉い人? 彼らは支配はできても世界は作れない。
神様? 神様は仕事じゃないけれど、もしかしたら一番近いかもしれないね。
彼らは、どんな世界だって作ることができるんだ。
この、「十数ページの紙の上」にね。
僕も、いつかこのアトリエから飛び出して、
読んだ人みんなが幸せになれるような、そんな世界を作ってみせる。
だからいつか僕の絵本が君のところへ届いたら。
そのときは。
遠い時代、遠い場所。だけどあなたのすぐ近くでも起こっているかもしれない。
これは、ある青年が追い求める、答えのないたったひとつの夢のおはなし。