カウントダウンインタビュー、2本目は今回脚本を担当した鈴木香奈さん(愛称:やっつー)と、演出を担当する森川双葉さん(愛称:双葉ちゃん)です。
今回のストーリーと演出について、熱く沢山!語ってもらいましょう!
――やっつーさんは初めての脚本! …ってことでしたが、これまで何か脚本に限らず小説とか詩とか、何かモノ書きしたことってあったのでしょうか?
やっつー:まっっっったく!ありません!!今回が初めてでございます!
双葉:(笑)
やっつー:小説含めて、色んな本を読むのは割と好きなんですが、「じゃぁ自分で書いてみようかな」と思った事は、実はこれまで無かったです。
――なかったんですかー!
双葉:チャレンジャーだなぁ(笑)。
やっつー:そんなんでよく脚本やろう!って思ったなーと今では考えます…HAHAHA!
――それでは今回、満を持して、脚本担当しようとしたきっかけはなんですか?
やっつー:実は、このカウントダウンインタビューで「脚本!」という枠で特集してもらえるのを、とっっっっっても楽しみにしてたからです(笑)。
――ありゃりゃ、それはまた(照)
やっつー:というのもありますが(笑)、今回で夢奇房に参加するのが、6回目でして。(意外と長くいましたw)
――あ、もうそんなになるんですねえ。
やっつー:で、これまでの過去公演で演者・スタッフをやってみて「そろそろ新しい事をやってみたいなー」と思い始めたのがきっかけです。
――一方の双葉ちゃんですが、今回演出をやろう!と思ったのは?
双葉:高校時代からずっと演出に憧れがあって、夢奇房に入った時もいつかはこの団体で演出できたらなぁと思ってました。
――双葉ちゃんは去年からの夢奇房参加でしたから、学生時代に演劇部にいたっていうのも鑑みても大抜擢!って印象でしたよ。
双葉:私的には、演出、 「いつかは」って思っていました。
「いつか」て私の中では早くても2~3年後だと思ってたんですけど、よくよく考えたら来年・再来年は就活と卒論で夢奇房参加できないし、社会人になってからは夢奇房にいられるかもわからない…。
やっつー:あれ?それじゃ??(笑)
双葉:あれ?やるなら今年しかない?ってことに気がついちゃって、もう思い切って今年演出立候補しちゃいました!(笑)
――演出を手掛けるにあたって、これまでの夢奇房と変えようとか、目指したことはありますか?
双葉:私は過去の夢奇房も、マジックも知らないの立場のメンバーなので、せっかくなら今までの夢奇房とはちょっと違うことをやりたいっていう意識はありました。
でも夢奇房の公演って言うからには夢奇房っぽさを期待してる人もいるだろうな…って思いもあって。
最終的に夢奇房らしさと夢奇房らしくなさをどっちも取り入れた演出を目指しました。
そうなってるかな?
――もともと演劇部だったということで経験者ではあるけど、演出上いろいろ大変だったことはありますか?
双葉:高校の部活とは形態が違うし、しかもつくるものも演劇とは違うし、もう何もかも大変でした。
特に演目との関わり方ですね。パフォーマンスパート(手品やジャグリング)と芝居パートのつなぎが夢奇房の見どころであり、難しいところでもあるので苦労しました。
たまに脚本上の設定と微妙にずれてたりするパフォーマンスがあったりするからもう鬱寸前まで悩みまくりました(苦笑)。
やっつー:夢奇ならではのよさはたくさんあるけれど、反面、それが難しいんだよね。
双葉:そうなんだよね。
――そんな新進気鋭の双葉監督に、一念発起、脚本担当となったやっつーさんのコンビですが…。
ちなみにやっつーさんは実際、いつから構想などを練り始めて、どんなスケジュールで書いていきましたか?
やっつー:ストーリーの世界観やテーマについて考え始めたのが、4月ないし5月くらいです。
そこから、最初のプロット(ストーリーの大枠)を考えパフォーマーさん、主要キャラクターをどうするかを構想し、最終的に第1版を書き終えたのは、9月半ばくらいでしたー。
――結構長い期間がかかるんですね。
ああでも、無事に書きあがった!ってとこからがまた修正もろもろ大変でしたね~(汗)本当に、お疲れさまです!
やっつー:いやーこれね!!!MA・JI・DE 大変でした(笑)。途中発狂しそうでしたもん。
あ、ウソですよっ!
双葉:いやいや、発狂するでしょ(笑)。
やっつー:(笑)まず、脚本を書いたことがないので、どのくらいのボリュームで書けばよいのか手探り状態だったり、セリフの中で、「あれ?これ、言葉じゃなくても全然表現できるじゃん」というイメージがなかなか出来なかったという事ですかね。
『まぁー説明が多い!!!!』という場面が常々ありました…orz
――お芝居は小説と違って、道具や動き、雰囲気でも伝えられますものね。
やっつー:これについては、過去に脚本・演出をやった諸先輩方々のアドバイスやらお力をたくさんお借りして、「あぁー、こういう事なんだな」と毎日勉強しながら修正していきました。
双葉:苦労した!!!お疲れ様!!
やっつー:でも、毎日、新しく吸収することがとても多くて、よくよく考えるとそれも楽しかったなぁ、と思ったりしました。
――振り返ると、大変ながらも貴重な日々ですね~。
やっつー:あ、あと、修正していくうえでの難しさもあって、直した傍らでストーリーの整合性がとれなかったりといったりして。
全体をみながら、修正していくという点も、大変だったなと切実に思います。
――自分の書いた脚本が、ステージでお芝居となって動き、見ている人に伝えるものになるって、どんな気持ちなのでしょうか。
やっつー:これは、「それはないでしょw」と言われるかもしれませんが、今まで文字でしか見えてなかったものが、立体的に浮き出てきた!みたいな感じでした。
――浮き出てきた!!
やっつー:その場面に遭遇した時「うぉー!こんなふうになるのかー!すげー!」という驚きとわくわくで気持ちがいっぱいになり、さらに「もっと面白い展開を見せたい!キャラクターを良くしたい!」という考えで膨らんで良い意味でのトランス状態になってました(笑)。
――脚本担当にしか味わえない感動でしょうね!
やっつー:大体、そういう時は前回とは違ったセリフがどんどん出てきたりして、「あれも言わせたいけど、これもいいなー…」なんて事も考えついたりして、止まらなかったり、なんてことも少しありました。
――ではでは、やっつーさん自身が生み出したたくさんのキャラについて、何か語ってください!
やっつー:とにかく、今回のキャラクターたちは『個性豊かだな!』というのが、ひときわ目立ちます(笑)。
双葉:(拍手!!)
やっつー:主要三人のウォルト・シェイラ・オリバー含め、パフォーマンスして頂くキャラクターたちを全体通してみた時に、似たような被ってるキャラクターがいなくて、「それぞれ伝えたいものが色濃く出ているな~!」というのが私としてはとても嬉しい事ですし、「こりゃ面白くなりそうだし、キャラクター出演させる以上、いい話を作りたい!」という思いが強くなり、脚本も全力で挑みました!
――今回のストーリー、演出の双葉ちゃんからの見どころはどこでしょう?
双葉:意外なキーマンの存在ですかね。ストーリー前半にチラッと登場するある人物が、後半の主人公が動き出す重要なシーンで再登場します。
やっつー:ふふふ…
双葉:ふふふ…観てのお楽しみです。
――うーん、、気になりますね(苦笑)。あと、演出で工夫したところや、こだわったところはありますか?
双葉:そのシーン関連で言うなら、その人物は最初に出てくるときからだいぶ特別扱いしてますね。
後半は真面目なシーンが多いので、前半にそういう小ネタを挟むようにしてます。
ふざけられるだけふざけました(笑)。
――いったい誰なのか、ますます気になりますねえ…!
――他にもいろいろなキャラ、パフォーマーがでますが、演出的に注目したい人は?
やっつー:全員でしょっ!(笑)
双葉:そうそう(笑)。まあ、全登場人物、全演目が魅力的ですが、あえて言わせてもらうならモブのみなさんかな。
特定の役、演目を持たない人たち。というか本来は進行スタッフの人たちが今回の公演では舞台上でいろんなキャラに扮して大活躍します。
要注目です!
――モブにも注目!ですか~。そこもまた、今回演出が双葉ちゃんっていうところの特色になっていますね。
一方で、主役のウォルトやシェイラ、オリバーはどんなふうに演出としてかかわり、アドバイスなどしたんでしょうか?
双葉:私は役者さんに自分のキャラの性格とか心情について自分で考えて演じてほしいタイプで、イメージを押しつけることは基本的にしないようにしてました。
セリフの解釈とか言い方を複数パターン提示してヒントを出したりとか、役者さんがどういうイメージで演じたいか聞いて、それを表現するアドバイスをしたりとか、演技の指導というよりは、自分で演技する手伝いをするのがメインでした。
――役者さんの感性を信頼していたんですね…脚本やっつーさんの想いもありますものね。
――やっつーさんが、今回のストーリーで伝えたかったことはなんでしょうか。
やっつー:今回のテーマが「夢の実現」なんですが、生きている上で夢の在り方や実現するまでの過程が人それぞれ異なると思っていて、ウォルト・シェイラ・オリバーがそれぞれ、夢に対する価値観の違いを見せたいのが1つ。
――「夢の実現」のそれぞれの違いですか…
やっつー:そして、この全く違った3人が出会い、ストーリーが進むにつれてお互いが干渉し合い、最後にそれぞれのキャラクターたちが何をファインド・アウト(見つけ出すのか)、という事を今回見に来て頂くお客様へ伝えられたらと思っております。
双葉:“ファインド・アウト”! キーワード出ましたね!
やっつー:(笑) 今回の公演タイトルの「ファインダー・アウトレイン」という言葉は「見つけ出す」という意味を含めて考えさせていただいたので、ストーリーを通して、見に来て頂いたお客様も何かファインド・アウトするものがあればいいなと思っております。
――それぞれが「見つけ出す」というストーリーが、今回やっつーさんが大事にしてきたものだったんですね。
やっつー:そうですね、それこそが、この脚本でこだわったところです。ウォルト・シェイラ・オリバーが互いに持っている考え方を大事にしたり反発や局面に立たされた時の感情の動き、そして、互いが干渉する事でどのように感じてどういう変化があったのか、という点を、駅や列車に乗ったりした時の情景に合わせて伝えられたらいいなと思いました!
――双葉ちゃんのほうは、今回の公演で、お客さんに届けたいことは何でしょうか。
双葉:出演する知り合いを見にきた人、マジック、ジャグリングを目当てに来た人、いろんなお客さんがいるでしょうが…、「夢奇房」を好きになって帰ってもらいたいです。
個々のマジック、ジャグリングじゃなくて全体を通して1つの作品として見てもらえたら嬉しいですね。
――そうですね、「夢奇房」ならではの空気を好きになってもらえたらうれしいですね!
――それでは最後に、本番来てくださるお客さんに、ひとこと!
やっつー:今回の公演が夢奇房としては、「平成最後の公演」となり、その脚本を自分が務めることになり、とっても嬉しく思います。
足を運んで見に来て頂くお客様へ、最後まで楽しんで頂き公演の帰り道でも「楽しかったね!」と話している様子が見られるようキャラクター達を通して、お伝えしたいと思っております!
2月11日、たくさんの皆様にお会いできるのを楽しみにしております!
――双葉ちゃんも、お願いします!
双葉:夢奇房を何度も見にきてくださっている方、初めて見にくる方、好きなジャンルや年齢性別問わず誰でも楽しめる内容になっていると思いますので、たくさんの人に楽しんでもらいたいです!
――ありがとうございました!
いよいよ明日は夢奇房第16回公演「ファインダー・アウトレイン」当日です。
個性豊かなキャラクターがみなさんを楽しい列車の旅にお連れします。ぜひお越しください。お待ちしております!!
法政大学奇術愛好会出身。
夢奇房には第10回から参加し、第11回・第13回・第15回はスタッフに入り、第12回・第14回は演者として出演した。
手品で使う道具は、主にゾンビボール、四ッ玉など。
カフェと飲みに行くのが好きで、最近は行った事のない新しい飲み屋をを開拓するのがマイブーム。
横浜市立大学ジャグリングサークルしゃかりきパンダ所属。
夢奇房には第15回公演からスタッフとして参加。
カレーが好きで、最近は行った事のない新しいカレー屋を開拓するのがマイブーム。