夢奇房第16回公演『ファインダー・アウトレイン』

Interview 1…メインキャラクター

樋口 智哉・荒井 彩花・鈴木 駿一

――夢奇房第16回公演「ファインダー・アウトレイン」まであと少し!
直前企画として、今回主要キャラクターをつとめる3人にインタビューしました!

夢奇房第16回公演 直前インタビュー

――ではまずは主役のウォルトを演じる樋口智哉さん(愛称:ともくん)に聞いてみましょう。
今回は「役者で出たい」という希望を最初から持っていましたが…パフォーマーではなくて役者を、と思ったのはなぜですか?

とも:うーん、元々?いつの間にか?ではあるのですが、舞台に立ちたい欲は強く、昨年に引き続いて、今年も舞台に立ちたいとは思っていました。

――前回も、副園長役で出ていましたものね。

とも:そうなんですよね。今回、自分の中で、舞台に立つならどう立ちたいかを考えた時に、パフォーマーとして舞台に立っている姿が想像できなかった、というのが役者をやりたいと思ったきっかけだと思います。
昨年の経験を活かせる、というのも大きな要因の一つです。
一度役者として舞台に出たことで、自信がつきましたし、もう一度やりたいとも思いました。
あと、マジック、そんなに上手くないですし(笑)

荒井:それ言っちゃうんかい!

しゅん:(笑)

――おっと、ご紹介が遅れました、主役のウォルトと並んで、ヒロイン・シェイラを演じますのは荒井彩花さん(愛称:荒井ちゃん)、そして物語の舞台となる駅や列車に現れる車掌のオリバーは鈴木駿一さん(愛称:しゅんちゃん)です。
こちらで主要3メンバーとなります!

荒井:やほやほー!!元気いっぱいいつでも明るい笑顔なシェイラだよ~!(ピースピース)

とも:わわ~個性強いのでてきたねえ~!!!

しゅん:うむ、元気な娘っ子だね~~。

荒井:ンンッ(咳払い)…、なんちゃって、夢奇房第16回公演「ファインダー・アウトレイン」シェイラ役の荒井でーす!どうぞよろしくデッス!

一同:(拍手)

――このままシェイラにインタビューしてしまいたいところですが…!!!ままま、まずはともくん!!お願いします。

荒井:なーんだ、元気に登場したのに。

とも:まあまあ(苦笑)

――ともくん演じるウォルトという役、いったいどんな人なのか、自己紹介をお願いします。

とも:今回演じているウォルトですが、一見、頑固だったりひねくれていたりはしますが、案外流されやすいタイプの人です(苦笑)。

荒井:うん!わかる!流される!!

とも:シェイラのパワーが強すぎなんだって(笑)。
ただ、そんな中でも自分なりに物事を考えて、ウォルト自身の答えを出して進んでいくような人です。
とは言いつつ、視野が狭かったりしますけどね…。
ちなみに、ボケか?ツッコミか?、だったら完全にツッコミの人ですね!そういうところは自分と似ていると思います。

荒井:確かにともくんはツッコミだね、夢奇の…

しゅん:夢奇内はボケは多いからねえ…

荒井:って!しゅんさん完全にボケ担当じゃない~~!!??

しゅん:そんなことないよ~~

夢奇房第16回公演 直前インタビュー

――うわあ、さすがに主役級となると、活気のあるインタビューになり始めました(苦笑)。
さてともくん、この役をやっていて、難しかったことは?

とも:ウォルト役をやっていて難しかったのは、感情の起伏をどうするか、ですね。
ウォルトの性格として、そこまで感情に大きな起伏がないのですが、それをそのまま舞台上でやってしまうと、とてつもなくつまらない人になってしまって…自分自身も、感情表現が苦手なこともあり、緩急をつけることが難しかったです。

――静かな役ほど難しいって言いますものね。ともくんとの共通点とか、違う点とかは?

とも:自分とウォルトの共通点は…効率よく立ち回ろうとするところは似てるかもしれないです。
まず効率的な方法を考えてから動き出すタイプなので。それが本当に効率的かどうかは別ですが(苦笑)。
自分もウォルトも思い込みが強いところがあるんですよね…
あ、、怖いのが苦手なのも実は一緒です(笑)。

――結構似たところあるみたいですね。

とも:違う点は、自分で道を決められているかどうか、かもしれないです。
ウォルトはその家庭環境もあって、自分の意思で将来を決めるのが難しかったのですが、幸いなことに自分は進む先を決められましたね。
なぜか自ら困難な道に進んでしまうんですけどね…



――お、そんな裏エピソードもちらりと垣間見られましたが…、さて、えーと、何やらさっきから背後に視線を感じるのですが。
ご、ごほん、そういえばウォルトは途中からある女の子に絡まれるようで…??(笑)

荒井:はいはいはい、シェイラです!!それよりまず、生い立ちについてお話してもいい??
私、生まれも育ちも同じとこで、都から少し離れた小さな町(街…っていう程大きくもないけど、村よりは綺麗みたいな?)そんなところが出身地です。

――そんな郊外でのびのびと闊達に育った、っていう印象ですねぇ!

荒井:そうですね! シェイラは普段から楽しいことが大好きで…特に歌うことが一番好き!何処で誰がいようが暇だったら歌っちゃう!みたいな感じで、いつも歌ってます(笑)

しゅん:自由だね~。

とも:いや、自由すぎだろっ!(笑)

荒井:そりゃあ、流石にTPO は弁える?かもだけど…うーん、そういう時は鼻歌へ変更!かな!!

とも:その物怖じしない性格は凄いよ。

荒井:最初は、両親の前で歌って、次に親戚…隣の家の人…そして町のみんな…!そんな感じで、どんどん色んな人の前で歌うようになっていったの。
みんなが自分の歌で笑顔になったり楽しそうに踊り始めたりするのが更に楽しくって!もっとたっくさんの人の前で歌ってみたい!ってなって。
…思ったら吉日!でしょ??だからすぐに荷物纏めて家飛び出してきちゃいましたぁー!!みたいな感じです、私の中のシェイラは。

とも&しゅん:わかりやすい(笑)。

――そんなシェイラについて、ウォルトはどんな印象ですか?

とも:シェイラについては、やっぱり最初は「結構強引な人だな」って思ってます(笑)。
カフェで席を譲ってくれたのはありがたいですが、勝手に注文しちゃうわ、態度悪い客に抗議しに行こうとするわ、車掌さんにしがみついてるわ、もうはちゃめちゃで!

荒井:ごめん~。。

しゅん:(笑)

とも:ただ、ウォルトとしてはそこまで自由に行動できるのを内心ではちょっと羨ましく思っていたり。あくまでちょっとですが、ね(笑)。
行動力の高さはすごいなって思いますね。

――こんな風に役者仲間としてやっている、あらいちゃん、しゅんちゃんとは、ともくんはどんな関係でリハや稽古をしていますか。

とも:あらいちゃんは、同期ということもあって、気兼ねなく練習できる相手、ですかね?ふざけながら、楽しみながらやりつつ、やるべきところはしっかりやるなぁ、と思ってたり。
そういう姿に、結構助けられてたりしますね、普段は絶対言わないですけど!!

荒井:なーんだ、言ってよ!!(笑)

とも:しゅんさんは、個人的には頼りになる先輩、みたいな感じです。
今回も、誰よりも早くセリフ覚えていましたし、感情表現も上手で、すごいなーと思ってます。
しかも、アドリブでネタを持ってきて、それが脚本に反映されたり…引き出しの多さが半端じゃなくって、真似できないなぁ、って思ってます。

しゅん:照れちゃうなあ!

とも:ていうか、実はこの三人、夢奇房的には同期だったりするんですよ!全員が第12回公演からの参加で。
なんだか運命的なものを感じたり、感じなかったり!!!

荒井&しゅん:うわー!そっかー!!

とも:ともかく、練習自体は結構みんなでワイワイしながらやってました。
二人ともボケてくるのでツッコミが追いつかない時があったりもしますがww

――荒井ちゃんは、ともくんやしゅんちゃんにはどんな印象を?

荒井:そうですね~…ともくんは、ぶきっちょ!(笑)

とも:ぶきっちょ!!?

しゅん:(笑)

荒井:でも、その分キャラに対しての想いは人一倍!そこはいいですよね。
あと、しゅんさんは、一見器用でそつなくこなしている様に見えるけど、実は脳内ですごいスピードで色んなことを考えて、色々試しちゃう人!そんな風に思ってます。

しゅん:そう見えてたか~。

荒井:お二人とも前回の公演(第15回公演「重ねテイクアクション」)でも一緒に役者をしていたので…脚本のやっつーさんから最初に脚本を頂いた時に、2人のキャラ・演技のイメージをなんとなく自分の中で作ったんですけど…2人と初めてセリフを合わせた時に、イメージ通りで心の中で笑ってしまいました。

夢奇房第16回公演 直前インタビュー



――では、オリバー役のしゅんちゃんにもいろいろお話しいただきましょうか。今回の役ですが…?

しゅん:見た目でお察しかもしれませんが、車掌です!駅の仕事…特に会話をする接客が好きです。
楽しいことはもっと好きなのでもしかしたら仕事そっちのけかもしれません(笑)

――車掌さんって役柄になったのは、脚本家らのオファーだったのですか?

しゅん:脚本からのオファーでしたよ。役作りで難しいところといったら、お客さんから見える車掌オリバーは仕事してないことが多いですからね、ちゃんと車掌に見えるかな?とか(笑)。
のびのびやらせてもらっています。

――けっこう自由奔放ですものね。

しゅん:オファーを受けたときに嬉しかったのは衣装ですね。
制服がある役、見てパッと見てどんな仕事かわかる役が初めてで。
ちょっとコスプレチックな役どころに憧れがあったんです。
衣装はバッチリなコートが見つかりましたし!!
ただ…これが厚手の生地で、舞台で動き回ると汗だくになるんです(笑)。

とも&荒井:(笑) 盲点!!

夢奇房第16回公演 直前インタビュー

――今回のオリバー役は、これまでしゅんちゃんがやってきた役と、似てるようで似てないような…演じてみて、新鮮なこととかありましたか。

しゅん:テンション高かったり、ちょっとふざけてみたりする役は僕多いですよね。
ただ、今回のオリバーは飛び抜けて表裏なくずっと陽気。
他のキャラクターは悩みとか影になる部分を垣間見ましたけど、彼は根っこから明るいですよね(笑)。

――確かに。人生謳歌してそうだなあ!

しゅん:公演中もテンションを高く維持し続けないといけないので、少しでも気を抜くと練習中に「暗い」とか「渋い」とか言われちゃう(笑)。
普段の僕とは対極ですが、多分彼は人と一緒に過ごすことでエネルギーが充電されるんだと思います。
だから絶えず出会いがある車掌になった…そこまで妄想は広がりました。いいなー社交的な人!

とも&荒井:究極の社交的人間!!(笑)

とも:何かに夢中になっちゃう性格って、ちょっとしゅんさん本人に似てたりする気も…(笑)

しゅん:たしかに、好きなものに猪突猛進になるところは一緒ですね。それ以外がおろそかになるところ、それでちょっと怒られちゃうところも(笑)。

荒井:オリバーそのものじゃないですか(笑)。

しゅん:よくあるんですよ。出かけた先で面白そうなものを見つけて荷物を置いてきちゃったりとか、翌日仕事なのに本を読みきって深夜とか。
もしかするとそこはオリバーより上かも(笑)。

とも&荒井:上なんかーい!!



――今回はパフォーマーとしても出演するとのことで、自身のパフォーマンスについて見どころを教えてください

しゅん:もともと演出・脚本から、車掌の役柄で「汽車と切符」を入れたパフォーマンスというお題がありました。
僕は「ダブルミーニング」が好きなので、今回はモノの見立てと言葉の両方を編み込んだパフォーマンスに挑戦してみました。
ひたすら喋る、ちょっと複雑な設定からスタートする演目になっていますよ。

――パフォーマンスで、苦労したところ、気に入っているところは?

しゅん:ほんと難しい設定を選んでしまったなあと(笑)。
僕がイメージする面白い部分がどう動けば、どう話せば、どんな構成ならわかるだろうと。
たくさんの人からチェックしてもらっているので、可能な限り詰めて、皆さんにお届けできればと思います。
気にいっているところは中盤にあるアップテンポなパートですかね。
そこはもうフェスか何かかと思って楽しんでもらえたらと(笑)

荒井:しゅんさんのパフォーマンス、一言で言えばスゴイな!って思います!!
まー、それは毎回思うところではありますが…笑笑!以前(第13回公演「空とぶクジラと見えない空と」)の時にも、主役でありながら、パフォーマンスもしていたし…。
しかも!今回しゅんさんの演技で使ってる道具とか…その他『全て』において、しゅんさんの手作りなので!!

とも:モノづくりスキルがすごいです。

荒井:過去に経験されている要素(マジック・演技(1人芝居)・脚本)が詰まった素敵なパフォーマンスだと思います!

しゅん:照れちゃうねえ…そういう荒井ちゃんも、バンドっていう演目があるんだし…

荒井:あ、そうだ、今回はバンドのパフォーマンスもやらせてもらってます。
今回は、私と一緒に4人の方と一緒にパフォーマンスをしますが、練習する上で、楽器は合わせてなんぼですし…なのに、メンバーの中にはお子さんがいらっしゃる人もいたり、全員のスケジュールを合わせて練習するのが特に大変でしたね~

――途中から、さのっちがクラリネットで加わってくれましたね。

荒井:途中から参戦してくれたさのっちが編曲してくれたお陰で、最初の楽譜からかなり音が派手になってるし、(実際聞いたらちょーっと分かりづらいかもしれないし1つ1つは短いかもだけど…)それぞれの楽器でソロパートがあるんですよ!
今回の夢奇房の公演で生演奏が聞ける唯一のパフォーマンスなので!!是非是非!バンドメンバーお1人ずつにも注目して見てください!!!

とも:荒井ちゃんの演目のみどころは、やっぱり生演奏での歌唱、でしょうか。
すごく楽しそうに、シェイラらしく歌ってる姿はやっぱり見ていていいなぁって思います。
そういう想定外のことがあまり好きじゃないウォルトが楽しんじゃうくらいに楽しいです。

荒井:!優しいこと言うぅぅ!!

とも:しゅんさんの演目のみどころは、そのアイディア力の高さ。
言葉遊びだったり、見立てだったりが本当に上手くて。
そんな発想がよく出てくるなぁ、って思ってます。



――さて、ともくん、主人公ウォルトとしてですが、見終わったお客さんの心にどんなものを残せたら良いと思いますか。

とも:代わり映えのしない毎日、いつもと同じだと思っている景色が、少しでも今までとは違うものとして見えるようになってもらえたらな、と思います。
考え方が変わることで、物事の見え方はいくらでも変わります。新しい気付きがあるかもしれません。
その変化を少しでもいいので楽しんでもらえたらな、と思っています。

――シェイラのほうは、どうでしょう。見に来てくれたお客さんに伝えたいことってなんでしょうか

荒井:シェイラは、皆さんから見ると 純粋ゆえにとても眩しい存在だと思います。
夢を諦めない、夢を実現するための苦労っていう若かりし頃に誰しもが思ったことがある感情を思い返して頂けたらなぁって思います!



――ではお三方、本番に向けて、ひとこと!まずはともくん!

とも:本番までもう残り数日。
最後まで有意義に時間を使って、見にきてくださる方々に、今回の公演を通して何かを伝えられれば、と思っています。
テンション上げつつ冷静に、楽しみながら全力で!!

荒井&しゅん:うぇーい!!(全力)

とも:ウォルトとの出会いを楽しみにしていてください!『ファインダー・アウトレイン』の世界でお待ちしております!

――続いて、シェイラ!

荒井: 今回は、初の役者をやりながら(しかもヒロインという大役まで頂いて…)、パフォーマンスをやるっていう新しい挑戦をしています!!
昨年に引き続き、物語の中でハッチャケられるキャラだとも思いますが、昨年とはまた違った荒井のキャラをお届けすると共に、皆さんに愛される存在となれるよう頑張りたいと思いまっす!!
是非観にいらして下さいね!!

――最後に~…!!

とも&荒井:しゅんさん!!

しゅん:はいッ!!(笑)
一期一会は旅の醍醐味。このメンバーで作った公演を2月11日に来るお客さんにだけ見せるというのは、これもある意味「一期一会」だなと思います。
長く短い2時間の旅をぜひ楽しんでください。

夢奇房第16回公演 直前インタビュー



――ありがとうございました!個性の違う主要3人の会話からだけでも、何だかわくわくするストーリーが期待できそうです。
次回のインタビューは脚本&演出のお二人。
公演の主軸を担う二人からのメッセージです。お楽しみに!


樋口 智哉(ひぐち ともや)

東京理科大学奇術同好会出身。
夢奇房には第12回公演から参加。
愛称ともくん。

大学時代は、ダンシングケーンやコンタクトジャグリング等を経験してきた。
趣味は読書で、特にファンタジーが好き。子どもの頃の愛読書は「ナルニア国シリーズ」や「エラゴン」。
映画化されてもやっぱり本の作品が良いというこだわりを持っている。
現在はまっている小説は、ネット小説で連載中の「Re:Monster」だという。

【主な出演作】
2018年 第15回公演「重ねテイク、アクション!」オスカー(主人公の補佐役)

荒井 彩花(あらい あやか)

成蹊大学マジシャンズクラブ出身。
常に明るく元気な、夢奇房のムードメーカー。
過去の夢奇房公演では、進行スタッフの傍ら、エキストラとして親衛隊や黒服やお客さん役として舞台に立った経験もある。
前回の第15回公演から役者としてスポットライトの下に立つことに。

趣味は、友人と遊ぶ時にカメラで楽しい思い出を撮影すること・コスプレ(その技術で素敵な姿に変身させてもらったメンバーもちらほら…!)。

【主な出演作】
2018年 第15回公演「重ねテイク、アクション!」レイチェル(記者)

鈴木 駿一(すずき しゅんいち)

東北大学学友会奇術部出身。
愛称「しゅんちゃん」。

夢奇房には第12回公演から参加。
子どもも大人もわくわくしてもらえる「オカシな」作品をつくり続けるのが目標。
好きなものは、お笑いと工作・DIY。
中でも好きな芸人は、ラーメンズ、バナナマン、サンドウィッチマン。

【主な出演作】
2015年 第12回公演「虹の独唱歌(アリア)」 ジャロ(アラカルト)
2016年 第13回公演「空飛ぶクジラと見えない空と」 ピクト(主人公)
2018年 第15回公演「重ねテイク、アクション!」アルフ(主人公の後見人)