夢奇房 第7回公演情報 ~サーカスの魔法は街を包んで~

カウントダウン対談 番外編 

カウントダウン対談、今回は番外編。公演のスタッフチーフにインタビューしてみました!
(進行:山崎、音響:クロネコ、ピン:陽一、照明:佳)
「あれ?今回の対談は、演者じゃないの??」などと思わずに…この、静かに且つ燃えるような
情熱を秘めたスタッフ陣の心に触れてみてください…! 軽い気持ちで聞いちゃうと、
火傷してしまうかもしれない程の熱気のこもったチーフの話、早速いってみましょう!


── まずは、スタッフの仕事内容を教えてください。

クロネコ:
(以下,ク)
仕事内容か。これは…うまいことを言った方がいいよね?

山崎:
(以下,山)
ははは(笑)

ク:
そうだね、「お客さんの見えないところで演技している人達」
だよ。

  
山:
まあそうだね、その通り。

ク:
お客さんの前で演技をするのは演者で、
お客さんの見えないところで演技するのが、俺らなんだよ。

──おお~…じゃあ、リハーサルが始まったら気持ちが切り替わるんですね。演者と同じく。

山:
変わるね。

ク:
リハは開演10分前から始まるけど、開場前から気持ち入ってなきゃいけない仕事だからね。
俺らスタッフはおいしいんだよ。
開場してから終演後、お客さんが出て行くまで仕事してるんだから。

山:
舞台に立つ演者よりも、仕事長いから(笑)。緊張してなきゃいけないけどね。

── 大変そう!

陽一:
(以下,陽)
それはもちろん大変ですよ(笑)。

ク:
でもそれが楽しくもあるよ。

山:
「支えてる」って実感があるよね。

ク:
演者がいないと舞台は成り立たないけど、舞台を動かしているのは俺らスタッフなんだよね。

──スタッフから見て「心が震える瞬間」ってありますか?

  陽:
やっぱりパフォーマーが本番で拍手をもらった瞬間でしょう!

ク:
そう、ホールがわっと沸いた瞬間!
やっぱりあの瞬間はいいね。

陽:
パフォーマーも勿論ぐっときてると思うけど、
スタッフもぐっと来てるんだよ。
そのために僕らは頑張ってるんだしね。

山:
うん、演技がうまくいくと、「よっしゃあー!」って思うね。
袖でガッツポーズしてたりする(笑)。

陽:
演技中はみんな成功を祈ってて、インカム(※)でその声が聞こえる。
「頼む、決めてくれー!」って。

あと、ピンとか演出でタイミングが合ったときは「来た!!」って思う。
感覚的な、絶妙のタイミング。理屈じゃないんだよね。

ク:
そう!!!

陽:
ほかのスタッフとかパフォーマーが一体になって「ヒットした」瞬間なのかな。
その瞬間は、やっぱり分かる。

ク:
それはピンだけじゃなく音響も同じ。
よく「気持ちいいタイミング」って俺らは言うけど、何でそう言うかっていうと、
ホントに「気持ちいい」からなんだよね。あの、スパッとはまった瞬間が。

陽:
そうそう。やってることは各スタッフ違うんだけど、感じるところは同じなんだね。

── 進行さんはどうでしょうか。活躍しているのは、演技と演技の間ですが…

山:
進行はちょっと性質が違ってて、演技中は基本的にやることはない。
が、幕間で尋常じゃない量の出しはけとかがある!
ク:
本番での進行は、びっくりするくらい作業が早い。その仕事ぶりにも沸くよね~!

山:
今年も頑張って拾うよ!(笑)

── 各スタッフの仕事がそれぞれどうこうっていうよりも、共有していることの方が
ずっと多いんですね。

ク:
そうだよ。俺ら裏方スタッフはみんなつながってて、そこに演者も巻き込んでいくって構造。
それがつまりは、夢奇房全体の「つながり」なんだよね。

──スタッフは公演の中で、かなり重要な位置にいるんだなぁ。

ク:
信頼されて、かなりの部分を任せてもらえてるしね。いい意味での「丸投げ」。

山:
スタッフとプロデューサーが集まって会議する時も、
スタッフが「ここはこうした方がいいんじゃない?」って発言もするし、
それが通ることもある。

陽:
ちゃんとこちらの意見も尊重してくれるんだよね。

ク:
本番中は「いかに客に気付かれないようにするか」を大事にしているよ。

── 気付かれないように?

ク:
曲も照明も、いつの間にか流れている、点いている、というのが理想。
気づかれたということは違和感があるってことなんだよ。
要は、溶け込まなくちゃいけないってこと。

陽:
そうそう、浮いちゃいけない。

山:
一番いい仕事をしているときは、「自然」なんだよね。

ク:
すーっと入っていっていなくなる。「あれ、今の明かりは?」なんて、絶対にダメ!
ナチュラルにお客さんが流せるのがいい。存在を感づかれちゃいけない!
その自然なタイミングが、

山・陽:
「気持ちいいタイミング」!(笑)。

──す…すごい裏方魂!!

陽:
結局、スタッフも「パフォーマー」だと思う。

ク:
そうだね。

陽:
ただ、表に出てくるか出てこないか、それだけ。
演者だけじゃなくスタッフも「パフォーマー」なんだよね。
だから僕らがピンを振るのも、照明点けるのも、音出すのも、舞台作るのも、
全てパフォーマンス!
客席からは見えないし、パンフレットにも載らないけど、そのパフォーマンスがあることで、
夢奇房の公演は成り立っているんじゃないかな。

山:
夢奇房のスタッフは、舞台の「骨」でもあるのかな…骨組み、というか。
演者さんは肉だとか、表面に出てるもので、スタッフは見えないけど無くてはならないもの。

── 見えないところで、支えているものなんですね。

  
ク:
音響は「パフォーマーの心」だね。
演者の心を表しているのが、音楽。
その場の情景とか、風景、あるいは人物の感情や心の中を
表現しているのが、音楽。

うちの舞台における音楽って、そういう扱いをされていると思う。
照明もたぶん、そうだと思うよ。

── いいですね~…

ク:
だから、演者は曲に合わせてるんじゃダメだよ!
その演者の表す気持ちがあって、
曲がお客さんの耳に流れてくる…こうじゃないとね。
そうすることで、力のある演技になると思うよ。

── 最後に、観に来てくれるお客さんたちにメッセージをお願いします。

陽:
パフォーマー・スタッフ全員で最高の舞台を創るので、ぜひ観に来てください!!
公演が終わって暗転したときに、僕たちスタッフの存在をちょっとだけ思い出していただけると
大変うれしいです(笑)。
とにかく、目一杯のものを創ります。お楽しみに!!

山:
いろいろとスタッフについて語りましたが…気にせず楽しんでいただけたら(笑)。
今年も、絶対面白い舞台になるので、楽しみに観に来てほしいですね。
…で、最後のフィナーレのスタッフ紹介でちょこっと出てきますけど、「なんだこいつらは?」
と思わず(笑)、ここでしゃべってた奴らだな、と思い出してくれたらなーと思います。

ク:
観に来てくれた人に、俺は何かを感じてもらいたい。
そうだ、あれだ、“Don't think!”
公演から、何か感じ取ってもらえるものがあれば。
それで満足です。

── 「考える」のではなくて…

ク:
そうだね、「感じて」ほしい。
たぶん感じるものはなにかあるはずだから…
日常ではない、何かを!!

※インカム…会場で使用する、ハンズフリーの通信機器。
        スタッフはインカムを通して互いに連絡を取り合い、舞台を進行する。

── さて、進行・音響・ピンの3名のチーフたちの対談に続きまして、
ここからは、照明チーフ:佳さんへのインタビューをお送りします。

それではまず初めに、照明ってどんなスタッフで、舞台裏でどんな仕事をしているのですか?

佳:
簡単に言ってしまうと、「舞台や客席の明かりを、点けたり消したりする」だけなのですが…。
そう言ってしまうと身も蓋も無いので、私が思うところを。

例えばすごく幸せな事があった時って、世界がキラキラ光って見えたりします。
空がどんより曇ってる時って、なんだか憂鬱になったりします。
そういう風に、自分の気持ちが自分のいる世界に、自分のいる世界が自分の気持ちに
与える影響って必ずあると思うのです。

夢奇房の舞台は、そこが一つの世界。
照明の仕事は、場面場面に合った照明効果を考えることで、
パフォーマーが表現しようとしている心情や、
夢奇房が創る世界をお客様により伝わりやすくする、
そのためのお手伝いだと考えています。

あー、カッコいい事言っちゃったコレ(笑)。

──
スタッフ的に「心が震える」瞬間ってどんな時ですか?

佳:
本番で『客席からどよめきが起きた時』!

こういう時って、パフォーマーの演技はもちろんですが、
スタッフの動きも完璧に噛み合っているんですよ。
お客様からは決して見えませんが、スタッフ全員
それぞれの持ち場でガッツポーズをしてます。

ともすると泣いています(笑)。

── スタッフとして、どんなことに誇りを感じますか?

佳:
お客様の前には立ちませんが、夢奇房はとにかくスタッフがアツい!!
そしてそんなスタッフを、パフォーマー全員が信頼してくれていると、ひしひし感じています。

そのスタッフの一員として舞台に参加できている事、パフォーマーが信頼して
照明効果を任せてくれる事ですね。
誇りを感じると同時に、かなりのプレッシャーも感じ…げふげふ。

── スタッフとは、照明とは何か。ひとことで答えてください。

佳: 『増幅器』…でしょうか。

照明効果次第で、パフォーマーの演技や夢奇房の世界を何倍も魅力的にできると思うので。
増幅できているかはさておき、全力は尽くしています。はい。

── それでは最後に、公演を観に来てくださる方々へメッセージをお願いします!

佳: 心温まる、ステキな時間をお約束します。楽しんでください☆
そして最後は、姿の見えないスタッフにも大きな拍手をぜひ(笑)!!

── スタッフチーフの皆さん、ありがとうございました!

皆さんの前でパフォーマンスをする演者たちの裏では、
こんなにもすごい面々が頑張っています。
これも全ては、観に来てくれたお客さんを楽しませるため!

夢奇房のメンバーが一丸となって、今年も皆さんに最高の舞台をお届けします。

プロフィール
山崎 拓矢(やまざき たくや)

1979年6月14日生まれ、30歳。
法政大学奇術愛好会出身。

夢奇房の立ち上げメンバーの一人。
第1・2回公演では演者として舞台に立ち、
第3回公演からは進行チーフとして
毎年公演に関わってきた。
夢奇房の飲み会担当でもある。

普段は出版社に勤務し、書店営業をしている。
日々お酒を嗜み、特に好きなお酒はテキーラ。

【主な出演作】
2004年 第1回公演「然」 (ハト)
2005年 第2回公演「凛」 Mr.Half Moon(四ツ玉)

クロネコ 聡史(くろねこ さとし)

1979年7月9日生まれ、30歳。
朝霞西高校放送部出身。

普段は運送会社に勤務し、「真心」を運んでいる。
年中無休の会社に勤めながらも
毎週末の練習に参加し、本公演で7回目の
音響チーフを務める。

趣味はダーツ。最近はDJも始めている。


下平 佳(しもひら よし)

1980年12月23日生まれ、29歳。
立教大学マジック研究会出身。

夢奇房には第5回公演から参加。
照明スタッフチーフとして、年々複雑になる照明を
3年にわたり手がけている。
夢奇房団体内では、
なかなかの飲ませ上手で通っている。

齋藤 陽一(さいとう よういち)

1983年4月29日生まれ、26歳。
法政大学奇術愛好会出身。

夢奇房にはピンスポットライト担当として、
第5回公演から参加。
第6回からチーフとなり、舞台を支えている。

職業はSE。
趣味はダーツと競馬観戦。

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