主人公シートが逃げてきた先には見慣れない街路
ふと地面に目をむけると、落ち葉が一枚
“この辺りには木なんかないのに…”
いぶかしげなシートの傍らを、ひとつの影が通り過ぎた
壁のむこうにふりしきる木の葉
さっきの葉っぱもこの壁も、よく見れば紙でできているのだ
思わずシートは壁の中に飛び込んでいった
夢奇房第4回公演第1部の前半、主人公シートが紙のくにに入っていくシーンです。
この直後の「ソネッティアとアーシア」の演目の曲のイントロ部分、約1分間が使われています。
実は、このシーンのために夢奇房メンバー全員の協力がなされています。
照明、音響さんはもちろん、舞台効果を担当するスタッフ。
シーン前後、絶対にミスが許されない一瞬の場面転換にスタッフの全員が関わりました。
また、効果に使われた木の葉は演者をふくめたメンバー全員の手によって、1枚1枚作られました。
公演の本番中、幕の後ろで出番を待っているとき、はらはらと止め処なく降ってくる紙の落ち葉をみていると、“大丈夫”と心がつよくなったものです。
自分でいうのもあれですが、夢奇房の公演のうち、もっとも美しい一幕になったのではないでしょうか。
第2回公演から夢奇房に参加していますが、今回はとくにメンバーの団結力がすごかったなあという印象があります。公演直前の数週間は、みなが同じ方向をむいて全力で公演を成功させようという意気込みを感じていました。第3回公演から大きくステップアップできたのは、それが理由かな。
夢奇房は毎年進化しています。赤ん坊がハイハイから立ち上がるというよりは、急に“飛ぶ”ような、大きな加速度を中にいる者は感じています。目指すものは相変わらず「最高の舞台」であり、その形はまだよくわからないのですが・・・
今までの大切なメンバーたちも、お客様も、これから出会うであろうみなさんとも同じ加速度を感じていきたいと思います。
いつも夢奇房を応援し、ときには叱咤してくれるみなさま。
これからもよろしくお願いいたします。
u.t.a.拝