~夢奇房第三回公演「瞬」を見て~ 寄稿 工場長
夢奇房のステージを見て毎回感心させられる事があります。
それは、出演者・スタッフ全員が「お客様に楽しんでもらおう、そして何より自分たちが楽しもう」という気持ちに満ち溢れていることです。
もちろん、舞台を演出する側としてそれは当然のことであるし、それは他のどの発表会でも行われていることです。しかしながら夢奇房のメンバーは人一倍純粋な心で、無垢な気持ちでそれをしている、そこに見る側の感動が起こるのだと思います。
夢奇房のコンセプトは「マジック・ジャグリング等あらゆる要素が詰まったエンタテインメント」であり、アマチュアでいながらいかにアマチュアを脱しきれるか、他の団体と一線を画せるかというところがひとつのポイントでもあったように思いますが、今回の公演を見てはっきりと実感した事があります。それは、夢奇房はまったくのオリジナルであり、極上のエンタテインメントであるということです。オリジナルを作るべくしてできているのでなく、エンタテインメントを意識して生まれているのでない。ただそこにあるのは情熱と妥協のない熱い思い。それが結果として、今までにない「感動」と「共感」を呼び起こすのだと思います。
夢奇房第三回公演「瞬」。寂しげな支配人がかつての活力を取り戻すまでの心の機微と、そこに織り成すさまざまな物語。会場を包み込むあたたかさと覇気。見終わった時とても楽しかった。自然と晴れ晴れした気持ちになっていた。「舞台っていい!」と素直に思えた。メンバーの弾けるような笑顔を見て感動した。
元気をくれたみんなに、そして本公演に感謝したい。名誉や利益云々でなく、来てくれた人に喜んで帰ってもらいたい、その思いだけを胸に頑張っている君たちと友人であることを誇りに思っています。
いつかまた自分も同じ舞台に立ち、お客様に感動を与えたい、そう心から思った一夜の夢でした。