マダム・セレヴィ
「瞬」にお越しくださった皆様、ありがとうございます!
少々長いですが、ちょっと語らせてくださいませ。
前回公演「凛」にて6年弱ぶりに舞台に立ち、その感動が忘れられず今回の出演を決めました。舞台には確かに何かが宿っていて、魔力があるのは本当だと私は思っています。
久々に舞台に出るにあたり、私は常々思っていたあることを今回のコンセプトに掲げました。
さて、マジックと聞いて一般のお客様はどんな演目を想像なさるでしょうか。
昨今はマジックブームと言われ、多くのマジシャンがテレビ出演などしていますが、
それらは男性ばかりです。女性は露出の高い衣装で切られたり、浮いたり、消えたり。添え物みたいなこのポジションが、同じ女性としてなんだか悔しいと思ってました。女性も手品、できますよ?私はそれを伝えられる演技を創りたかったのです。
女性のための、女性にしかできないものを見せたい。
そのコンセプトを提出した私に、Pは「女優:マダム・セレヴィ」という素敵な役を用意してくれました。
「女優」を演じるというのは、えらくハードルの高いことでもありましたが、持てる精一杯を出せたと思います。本番はお客様の反応を全身で感じ、お客様と対話しながら演技することができました。練習でやったことは(いい意味で)すべて吹っ飛びました。生のお客様の拍手、その力はやはり偉大です!
「この舞台を観た人に元気や活力を与えたい」が「瞬」のコンセプトだとするなら、
私が元気をあげたかったのはすべての女の子です。女の子にきれい、かっこいい!と憧れてもらえるような演技を目指しました。私も手品やってみたい!と思ってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
今回の舞台は、自分を最年長演者として多岐に渡る団体、世代の仲間と創り上げました。彼らと出会えたことは私にとっても本当に嬉しいことです。
夢奇房は常に新しい風を吹かせながら続いていく。最高の舞台、ただそれだけを目指して。形の見えないそれを、私達は暗闇の中、手探りで掴もうとしています。
最高の仲間とともに、「瞬」はその3つめのトビラを、可能性を確かに開いたのだと思います。そして、そう感じられたことが一番の幸福です。みなさん、本当にありがとうございました。