ピエル
フェアが倉庫の奥から持ち出した
埃まみれの古びた肖像画。
肖像に刻まれた彼の名は、ピエル。
古き時代、この舞台に彗星のように現れ、
多くの観客を魅了し
いつしか「王子」とまで呼ばれた1人の少年。
時代の流れと共に、遠き記憶の底に沈んだ少年の肖像は、
再び輝かしき光を浴びて何を思う。
どこの国からきたのですか?また、どのような国でしたか? |
それっぽい名前から分かる通り、フランスです。 イタリアの偉い家の人が宮廷にお嫁に来たんですけど、その人が僕らの国を野蛮な国って言ってましたね。 その人は何だか綺麗な踊りを踊る人たちもお供に連れてきてましたねぇ…バレエとか言うらしいです。ちょこっと教えてもらったんです。 ホントにちょこっとですけど。とても難しかったです。先生は男の子が稽古に来ると喜んでたらしいです。あ、変な意味じゃなくね。 |
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肖像画がとっても若いですが、もしかして短命だったのですか?? |
はい、ただし舞台に立つ者として、ですが。死んではいませんよ、念のため。 色々あって、かなり若い頃に引退したんです。肖像画が若い頃なのも、多分出演当時の物です。 それでもここに再び呼び出されたのは、きっと僕も舞台に魅せられた者だったからでしょうね…こうして舞台に立てた事、とても幸せに思います! |
日本にきて、驚いたことを教えてください。 |
僕の世界もこっちの世界も、掃除が大変って事は変わらないんですね。 何だかたくさん雑巾がけをしてたような気がします。おでん好きのおいちゃんにはたくさん叱られました。 |
(本人として答えてください)練習して、成長した点がありましたらどうぞ |
自分自身が大きく変わったと思うことはそんなにありません。 共演する人、スタッフの人、一緒に練習してきた人、そして今まで出会ってきた人、たくさんの人の力で舞台に立てました。 何から何まで、色んな人の力を借りて。だから最高の舞台にしたいと思っています。 |